開発の経緯
先代の父は約40年前からブロイラー飼育の事業を営んでおります。そして、私は5年前から父に鶏舎の管理と運営を学び、実践してきました。その中でブロイラー飼育は飼育者の経験と感覚を軸に管理されており、数値やデータによる管理がほぼされていない事実を目の当たりにしました。やはり、経験と感覚に頼るだけでは安定した生産性を保つことは簡単なことではなく、安定した生産性を保つためには長年の経験を軸とする管理からの脱却、管理作業を効率化させるシステム開発が必要であると日々強く感じています。そこで弊社の鶏舎にシステムを導入しようと思い様々な会社に問合せを行いましたが、自分が求めるシステムがありませんでした。そのため本補助事業を活用し鶏舎管理システムを開発することを決意致しました。
現状と課題
現状
- ブロイラーの飼養戸数は減少しているが、鶏肉の需要の増加に伴い飼養羽
数、一戸当たりの飼養羽数は増加している。
(農場が集約化され大規模化している。) - 鶏肉の需要が高まっている中、生産性を追求し、高い飼養密度で飼育されている。
- 長年飼育管理してきた経験を軸とする個々の感覚に頼っている。
課題
- 異常確認の為の巡回が大変である。
- 開放鶏舎(※)では、カーテン操作が作業負担になっている。
※開放鶏舎:畜舎用カーテンが付いておりカーテンを開閉し温度管理をする鶏舎のこと - より高い飼養密度で飼育される事で、飼育技術が高度化してきている。
- 飼育管理技術を後継者、社員に共有することが難しい。・安定した鶏肉の生産の再現性が担保できない。
導入設備と課題解決内容
導入設備
- 各種センサー測定データ:温湿度、co2濃度、ほこりの量
- カメラ
- 停電検知機
- カーテン遠隔操作装置
課題解決となる根拠
- 鶏舎内の環境をデータ化して認識することで飼育管理に再現性を出すことが出来る。
- 巡回作業を短縮することが出来る。
- 異常の察知を素早く行うことが出来る。
- カーテン操作の作業負担を減らすことが出来る。
鶏舎管理システムが養鶏業界にもたらす影響
効率化と生産性向上
IOTセンサーを鶏舎に導入することで、飼育管理が従来の経験と感覚に依存するものからデータに基づく管理へと変わり、効率的な養鶏業務が実現されます。
品質向上
データ分析によって、鶏肉の品質管理が向上し、高品質な製品の提供が可能となります。これは市場競争力の向上につながります。
革新的なイノベーション
データ分析とリアルタイムモニタリングにより、飼育者の経験に基づく従来のやり方を変え、革新的なイノベーションを養鶏業界にもたらします。